[JCR] ルーマニアの格付がBBB- / ポジティブ → BBB / 安定的 BBB / ポジティブ → BBB+ / 安定的に見直されました。

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15-I-0081
2016年 3月 18日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。

ルー マニア (証券コー ド:-)

【変更】
外貨建長期発行体格付 BBB- → BBB
格付の見通し ポジティブ → 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB → BBB+
格付の見通し ポジティブ → 安定的
■格付事由
(1) 格上げは、不良債権処理の進展などから懸案となってきた金融システムに改善が見られること、16年の
財政赤字について、減税策の実施に当たり一定の財源が手当てされたことで拡大が抑えられる見通しであ
ることを反映している。格付はまた、対外ポジションの改善や財政赤字の縮小、内需のけん引による良好
な経済見通し、低水準の政府債務を引き続き評価している。格付の見通しは安定的。堅調な内需に支えら
れ、経済成長がより堅固ものとなっている。財政赤字はこれまでに導入された財政健全化策や経済成長の
効果から 15年に G D P 比 1.1%まで改善したとみられ、16年は減税等の影響を考慮しても EU が上限とす
る G D P 比 3%以下に抑えられる見通しである。16年末には総選挙が予定されているものの、現チオロシ
ュ政権は 18年にかけて財政赤字を縮小させていく計画を示しており、財政責任法や EU の財政ルールに
沿って財政赤字の抑制が図られていくとみている。信用力の向上には金融システムのさらなる改善などが
重要と JCRでは考えている。
(2) 15年の名目 G D Pは約 1,600億ユーロと中東欧で第 3の経済規模を有し、一人当たり G D Pは購買力平価で
約20,000米ドルに達している。15年の実質 G D P 成長率は、内需の拡大から 3.7%と国際金融危機以降で
最も高い伸びとなった。実質賃金の上昇や雇用増を背景に個人消費が拡大しているほか、投資も EU 補助
金の受け取りによる公共投資増や民間投資の回復を受けてプラスに転じている。16~17年は、EU 経済の
大幅な下振れがなければ内需を中心に 4%前後の成長が期待される。物価は原油安や減税の影響で 15年6
月以降下落しているが、需給ギャップが縮小する中で、食品、燃料、アルコール、タバコを除いたコアイ
ンフレ(H ICP)は 1.6%(15年)と緩やかに上昇している。
(3) 金融システムは、懸案となってきた銀行部門の不良債権処理の進展などから改善に向かっている。不良債
権処理は 14 年に中銀が導入した償却・売却等に関する規制改定などの措置が奏功し大きく前進した。不
良債権比率は依然高いものの、15 年末には 13.6%(欧州銀行監督機構の定義に基づく)と 14 年末の
20.7%から低下しているほか、収益も与信費用の減少などから 15 年には黒字を計上するなど改善してい
る。13 年初より縮小してきた民間向け貸出残高は個人向けのレイ建貸出を中心に前年比で増加に転じて
おり、信用収縮による経済への下方圧力もほぼ解消している。他方、不良債権比率が相対的に高い外貨建
の貸出が 15年末時点で依然として貸出残高の 5割近くを占めているが、レイ建貸出の金利低下や当局に
よって住宅ローンに対する政府保証(First Home Programme)の対象をレイ建に限定するなどの政策対応
がなされてきたことを背景に外貨建貸出は近年着実に減少している。また、議会で審議されている個人向
け不動産担保ローンの債務免除に関する法案についても進展を注視していく。
(4) 経常赤字は自動車をはじめとする工業製品やサービスの輸出拡大などから 15年も G D P 比 1.1%と抑えら
れている。また、直接投資や EU 補助金を通じて安定的に資金が流入しているほか、外貨準備高による短
期対外債務および月間輸入のカバー率もそれぞれ 1.6倍、5.8倍を確保している。対外債務は銀行部門を
中心に継続的に減少しており、G D P 比では 12年末のピーク時の75%から 15年末には 57%まで低下した。
財・サ輸出比でも同時期に 200%超から 139%まで低下するなど、対外ポジションは大きく改善している。

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09年の金融支援時に IM F、EU 等から受けた融資の返済も支障なく行われており、16年初には IM F への
返済が終了した。
(5) 一般政府財政赤字(ESA2010)は 10年以降歳出の抑制を中心に大幅な縮小が図られ、15 年には G D P 比
1.1%と 14 年の同 1.4%さらに改善した模様である。15年には減税策が実施されたが、脱税対策などの徴
税強化に向けた取り組みや経済成長などによる税収増がこれを上回ったことによる。一般政府債務/G D P
比も 15年末時点で 38.5%と JCRが格付している B B B レンジのソブリンの中で低い水準にとどまってい
る。ポンタ政権の崩壊を受けて、15年 11月からはチオロシュ首相率いるテクノクラート内閣が政権運営
を担っている。16年予算は財政赤字を G D P 比2.95%と EU が定める上限以下に抑える内容となっている。
前政権の決定に基づき付加価値税標準税率の引き下げをはじめとする減税、公務員給与や社会保障給付の
引き上げなど G D P 比 3%程度の政策を盛り込む一方、その財源の一部として脱税対策による税収増や EU
補助金を通じた投資の減少も見込んでいる。15 年からの財政赤字の増加は不可避ながら、堅調な経済成
長などを踏まえれば政府の計画はおおむね達成可能と JCRではみている。チオロシュ政権は次回総選挙
までの暫定政権ながら、17年、18年には歳出の伸び抑制などにより赤字を同2.8%、同2.3%へ縮小させ
ていく中期計画を示している。17年以降については次期政権の政策にもよるが、財政責任法に基づく財
政赤字の自動是正メカニズムや EU の財政ルールの枠組みの中で、赤字抑制が図られていくと思われる。
(担当)内藤 寿彦・佐伯 春奈

■格付対象
発行体:ルーマニア(Romania)
【変更】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 BBB 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB+ 安定的

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格付提供方針に基づくその他開示事項

1. 信用格付を付与した年月日:2016年3月 15日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本 幸一
主任格付アナリスト:内藤 寿彦
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCRのホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014年 1月6日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCRのホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014年 11月7日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) ルーマニア(Romania)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCRの現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCRが格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した経済・財政運営方針などに関する資料および説明
・ 経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCRは、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が求める要件
を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. J CRに対して直近1年以内に講じられた監督上の措置:なし

■留意事項
本文書に記載された情報は、JCRが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCRは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCRは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCRの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCRの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCRの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCRが保有しています。JCRの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCRに無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NRSRO登録状況
JCRは、米国証券取引委員会の定めるNRSRO(Nationaly Recognized Statistical Rating O rganization)の5つの信用格付クラスのうち、以下の 4クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-
7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は JCRのホームページの“Rating Information”(http://www.jcr.co.jp/english/top_cont/rat_info01.php)
に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 T EL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026

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