[JCR] フィンランド北部電力の格付がAA- / 安定的に見直されました。

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15-I-0072
2016年 2月 17日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。

フィンランド北部電力 (証券コー ド:-)

【据置】
外貨建長期発行体格付 AA-
格付の見通し 安定的
■格付事由
(1) フィンランド国内に29の水力・原子力・火力発電所(14年末時点の発電容量計約 3,200M W 、同発熱容量
計2,204M W )を有し、18の株主に原価で売却する卸電気熱供給事業者。格付は、「マンカラ」と呼ばれる
フィンランド独自の発電事業の共同投資型ビジネスモデル、全国の電力消費量の 17%(14 年)を発電す
る主要な電力源としての役割、43 年以来の長期にわたり電力を安定的に供給してきた実績、並びに、相
対的に低い発電コストに支えられている。当社の株主は、受電の有無にかかわらず、出資比率に応じて、
当社の債務弁済費用を含む発電所の建設・運営にかかる固定費を支払うことが定款で定められている。フ
ィンランド北部電力(PVO)の発電電力の 60%(14 年)は、当社が 59%を所有するフィンランド産業電
力(TVO)の原子力発電所2基(出力合計 1,760M W 、うち PVO の持ち分 1,000M W )から受電している。
TVO は 05年以来、新たな原子力発電所(オルキルオト 3号機(O L3)、出力 1,600M W )を建設しており、
PVO もその 60%(960M W 相当)を出資している。O L3の運転開始見込みは、当初の 09年から延期が相
次ぎ、現在では 18年末を予定している。工期延長により建設費用が大幅に増加しており、追加費用負担
をめぐり、TVO はターンキーコントラクターであるAREVA-Siemensコンソーシアムとの間で係争中とな
っている。現在の訴額に鑑みると、仮に仲裁に勝訴したとしても、O L3の稼働後には TVO から相当量受
電する PVO の平均発電コストも大きく引き上がることは避けられない。主要株主による取締役の派遣に
見られるように、株主による当社へのコミットメントは長期的視野に基づくものであり、依然として強固
である。とはいえ、北欧の電力価格の見通しが一段と弱含む中、相対的な価格優位性の低下は、株主の経
済的インセンティブを減ずる上、特定株主の不払い時に市場売却による費用回収を難しくさせる可能性を
高める。JCRは引き続き、O L3の建設状況・係争結果や電力の市場価格動向を踏まえた当社の供給電力の
価格優位性や、株主による支援状況を注視し、必要に応じ格付に反映していく。
(2) PVO は、フィンランドの事業法人や地方自治体などが、43 年に共同で設立した民間の発電事業者。総資
産26億ユーロ、売上高 6.4 億ユーロ(共に 14/12期)。株主は、18の法人・自治体にわたっており、
業態別で見ると、紙パルプ等の製造業(68%)、エネルギー業(22%)、地方自治体系(6.6%)など。上
位 4 社(U PM -K ymmene Oyj(43%所有)、Stora Enso O yj(15%)、K ymppivoima O y(9%)、EPV
Energia O y(7%))が全体の 74%を占める。当社の取締役は全て主要株主の代表で構成されている。
PVO グループの発電量は 14.0T W h(14 年)と、フィンランドの電力消費量の 17%に上る。また、
14 年には、計 6.6T W hの熱供給を行った。当社は、14 年時点でフィンランド国内に29の水力・原子
力・火力発電所を有していたが、足元、老朽化した高コストの火力発電所の廃炉・売却等を加速させ
つつある。14年時点の発電総容量は 3,200M W に達しており、内訳は原子力 31%、水力 14%、火力 55%
となっている。ただし、14 年の発電実績は、原子力 60%、水力 12%、火力 28%と、当社が 59%を所有
する TVO の操業する原子力への依存度が高い。TVO の運営する既存の原子力発電所二基は、操業ライセ
ンスの期限が 18年に到来するが、TVO は更新・近代化に向けた設備投資を続けてきており、更新される
可能性が高い。また、TVO は、現在、新型の欧州加圧水型炉(EPR)を採用した原子力発電所一基(オ
ルキルオト原子力発電所第 3号機、出力 1,600M W (PVO の持ち分 960M W ))の建設にも取り組んで
いる。同 3号機の稼働後には、PVO の発電源に占める原子力の比重がより一層高まる。

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(3) PVO は、「マンカラ」と呼ばれるフィンランド独自の発電事業の共同投資型ビジネスモデルに基づき事業
を行っている。具体的には、株主は、出資比率に応じ、発電電力を原価で受電する権利を有する一方、月
次にて、受電の有無にかかわらず固定費(操業・維持・管理費、発電量に関わらない租税負担、保険料、
債務費、減価償却費等)を、並びに、受電した場合には変動費(燃料費や発電量に伴う租税負担等)を、
決められた期日(通常は翌月)までに、支払うことが定款で規定されている。仮に、支払いが期日までに
行われない場合には、当社は当該株主に対する電力供給を直ちに差し止め、同電力を市場価格で他の株主
にまたは市場で販売することが認められている。北欧の統合電力市場ノルドプールにおける市場価格(フ
ィンランド地域)は、14年の 36ユーロ/M W hから 15年には 30ユーロ/M W hへと一段と低下したが、当
社の発電電力の平均売電価格は 14年に平均28ユーロ/M W h前後、コストの高い火力発電所の操業を大き
く減じた 15年には更に低下しており、依然として相対的な価格競争力を有している。
(4) PVO の発電事業は、建設期間中は発電設備にかかる建設費を元加し、運転開始後には株主に対し発電電
力を原価で供給し資金を回収する「マンカラ」モデルで事業を行っており、PVO の発電事業にかかる毎
期の純利益は毎期ゼロとすることが税務当局により認められている。流動性・借換リスクについては、当
社はグループとして、長期債務の今後 12ヵ月以内の返済額を継続的に全体の25%以下に抑えると共に、
親会社単体でもリボルビング・クレジット・ファシリティを 3 億ユーロ未引出しで確保しており、こ
れは年間の債務償還額を大きく上回る水準となっている。
(担当)仲川 聡・佐伯 春奈
■格付対象
発行体:フィンランド北部電力(Pohjolan Voima Oy)
【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 AA- 安定的

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格付提供方針に基づくその他開示事項

1. 信用格付を付与した年月日:2016年2月 12日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本 幸一
主任格付アナリスト:仲川 聡
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCRのホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014年 1月6日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCRのホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に、
「コーポレート等の信用格付方法」(2014年 11月7日)、「電力」(2015年 4月23日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) フィンランド北部電力(Pohjolan Voima Oy)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCRの現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCRが格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCRは、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. J CRに対して直近1年以内に講じられた監督上の措置:なし

■留意事項
本文書に記載された情報は、JCRが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCRは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCRは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCRの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCRの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCRの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCRが保有しています。JCRの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCRに無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NRSRO登録状況
JCRは、米国証券取引委員会の定めるNRSRO(Nationaly Recognized Statistical Rating O rganization)の5つの信用格付クラスのうち、以下の 4クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-
7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は JCRのホームページの“Rating Information”(http://www.jcr.co.jp/english/top_cont/rat_info01.php)
に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 T EL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026

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